パキスタンは何故発展できないのか

パキスタンにきて現地の方から第2次世界大戦からの復興で世界第3位の経済大国になった日本は、どのようにしてそこまで発展したのか、またパキスタンは何故発展できないのか、と問われることがあります。私は2つのことを説明します。 友好国の関係 敵であったアメリカと仲良くせざるを得なかった(敗北し軍門に下ったのだから何をされても文句は言えない)。日本はアメリカの先端技術を導入することで経済を活発化し、アメリカの技術を日本の技術として取り込み、さらに日本固有の技術として発展させた。大学院時代の研究テーマであった「時限発火モデル」で説明を試みています。例えば、半導体はアメリカで開発され日本は技術導入して一時はアメリカを抜いて世界一の半導体王国になった(電子立国日本のときですね)。その技術は日本から、韓国、台湾に移転され両国が半導体王国になっている。それがさらに中国に移転されていき中国が半導体で世界一になるのは時間の問題になっている。 翻ってパキスタンはどうなのか、隣国のインドとなぜ仲良くできないのか。インドには多数の日本企業が進出しているのでその日本企業から部材や技術を導入すれば安くて高品質の製品が製造できる。そうすればムスリムというインドにはない有力な武器があるのでムスリムの国に輸出することができる。タイやマレーシアはそうやって東南アジアでは労務費(給与)の高い国になった。 出展:JETRO 地域分析レポート https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2020/cbdf0cefc691ae25.html 教育の充実 日本においてはすでに江戸時代(1700年代)から寺子屋という教育施設が普及し子弟の教育が実施されていた。さらに近代の明治以降も90%以上の就学率を達成していた。パキスタンの就学率は2010年代に入って80%を超えた。教育の効果を考えるとおよそ100年の差がある。現時点での比較でなく数十年後を考えればよいのではないか。 出展:識字能力・識字率の歴史的推移――日本の経験 https://cice.hiroshima-u.ac.jp/wp-content/uploads/publications/15-1/15-1-04.pdf 出展:JETRO パキスタンの教育事情 https://www.jetro.go.jp/ext_im...