モザイク国家 パキスタン
昔、 「モザイク国家」がありました。カリスマ指導者チトーによって保たれていたユーゴスラビアです。チトー亡き後ユーゴスラビアは分裂しました。パキスタンもまたモザイク国家であると言える。
その前に、パキスタンの語源を知っていますか。
PAKISTANという国名は印パ独立前にムスリムが多数居住していた地域
パンジャブ(Punjab)
アフガン(Afghan)*1
カシミール(Kashmir)
シンド(Sind)
バロチスタン(Balochistan)
の各名称の一部を結合するとともに、「清浄(Pak)な国(Stan)」という意味を込めてケンブリッジ大学のムスリム学生が創設した案*2である。
ウルドゥー語とは
パキスタンの主要州で使用されている主な言語は下記のとおりである。
パンジャブ州 :パンジャブ語
シンド州 :シンディー語
バロチスタン州 :バロチ語
KPK州(北西辺境州):パシュトゥー語
そうなると、ウルドゥー語とは
新生パキスタンにおいて中立的な言語である。
ことから民族同士の対立を回避するための言語である。
パキスタンの主要民族は
主要な民族としてはパンジャービー、スィンディー、パシュトゥーン、バローチがあげられる。とりわけ、北インドから移住してきたウルドゥー語話者の住民はムハージルと呼ばれている。
1941年のムスリム人口
パンジャブ州 :1,600万人
シンド州 : 300万人
バロチスタン州 : 50万人
KPK州(北西辺境州): 75万人
ベンガル州 *3 : 3,300万人
出展:水谷章「苦悩するパキスタン」P21
ムスリムという宗教で結びつけられた国家としてのアイデンティティは低く各民族の対立が表出している。
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*1:元来パシュトゥーンと同意義であり当時はパシュトゥーン人が多数居住するアフガニスタンに隣接する北西辺境地域を意味した。
*2:Jaffrelot.A History of Pakistan and Its Origins. P13
*3:バングラデシュとして独立
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