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パキスタンの子供(2)

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パキスタンはどんな国でしょうか。下記2枚の写真を見てください。 この4人は、この後拾った食物を食べていました。平日の午前中です。この1~2時間後には他の子供たちが学校から帰ってきました。ということはこの兄妹は学校に行っていないということです。教育の機会が得られないということは、将来を閉ざすことにつながります。貧困は将来を奪うのです。 さて、シナサンは貧乏な家庭の出身です。父を早く亡くしたため母親1人で我々兄弟を育ててくれました。奨学金を借りて(シナサンは特別奨学生でした。親の収入が少なすぎるので奨学金をいくらか上乗せして貸してくれました)学校に行きました。 教職をとるための授業で、「受験戦争」と言われるくらい厳しい受験制度をどう変えるべきか、という授業がありました。教授をはじめほとんどの学生は当時の受験制度に否定的であり受験をもっと入学しやすくしたほうが良いとの意見でした。シナサンは受験があるから貧乏な家庭でも将来に希望が持てる。18歳の受験で希望を達成し大学に入学できれば、官庁や大企業に就職し将来に展望が持てる。受験がなければ貧乏人の子供は、一生貧乏なままである。親の地位(収入)で子供の将来が決まってしまう。決して受験が悪いわけでない。と発言しました。結果は、ボコボコに論破されました。当時は教授も学生も「左側」の人間が多かったような気がします。 振り返って70歳の今も働いていられるのは、曲がりなりにも大学、大学院を出て人並みの生活ができたからではないか、と考えます。そうすると上の写真の子供たちの将来はどうなるのでしょうか。子供の将来はパキスタンという国の将来がどうなるのか、につながると思います。

閑話休題(3)

取り留めもなく書いてきました。当初予定していた100回目のブログです。1年半で100回に到達しました。 というわけで、100回記念は気楽なブログを 派遣先がカラチと言われた際「行きます」と即答しましたが、カラチがどこだか知りませんでした。山崎豊子の小説にあったような気がしました。読み直してみると、違和感が生じました。彼女は実際のカラチを見ないで書いたのだろうと思われます。カラチはそんなに嫌なところではありません。日本と比べると問題がありますが発展途上国ですからこのようなものです。 この赴任中にパキスタンを旅行しました。 ラ・ホール ムルタン フンザ(スカルドウ) ムザファラバード(カシミール地域) 旅行の内容については、番外編としてまとめます。 そう、数年前にパキスタン映画「娘よ」を見ました。その映画の舞台はスカルドウでした。知らないで、聖地巡礼をしたようです。パキスタンで暮らしてみるとあの映画は実話をもとにしたとのことですが、ちょっと違うような気がするのは私だけでしょうか。 私と一緒に仕事をしていたパキスタン人が退職しドバイに行きました。給与は3倍だそうです。パキスタン人は世界中に出稼ぎに行っています。イスラム圏が多いですが欧州、米州にも出かけています。そして、移住も多いです。女性職員も家族全員で移住すると言って退職していきました。国民がパキスタンから逃げ出していくような気がします。 パキスタンは狂乱物価です。2022年05月のガソリン価格は153Rs/lでした。2023年08月のガソリン価格は303Rs/lです。1年半で2倍です。同様に電気料金、ガス料金、水道料金も2~4倍になっています。しかしパキスタン人は明るいです。「何とかなるさ」の精神なのでしょう。歳をとってくると、この「何とかなるさ」が大事なのだとわかってきました。 次回からは少し趣向を変えて、パキスタンについて私の考えを入れて書いていこうと思います。肌感覚のパキスタンはとても良い国です。この国の良さが失われないことを願っています。