閑話休題(2)

 シナサンの大学院時代の恩師である、故佐々木先生は「現地のことは現地の人間が一番よく知っているのだから、現地の人を登用するのが効率的だ」と仰っていました。確かに現地の商慣習は我々には完全には理解できません、ですから現地の人間の協力が必要です。事業は現地化していかなければいけないと思います。

さて、シナサンは(技術者ではなく)技術屋としてのプライドから作業着を着て業務にあたっています。しかしパキスタン人から見ると、「手を汚して仕事をする」者は下層階級の者としてみているように感じます。

他の日本人スタッフとともにパキスタン人に会うと、まず我々の名刺を確認し、次に我々の(衣服等の)スタイルを確認しているように感じます。そして面談が始まると、パキスタン人はシナサンのほうをほとんど見ません。無視していると感じることもあります。彼らから見るとシナサンはただの担当者か作業者のように感じているのかもしれません。

着任時にこのような情報を教えてもらっていれば、名刺の肩書は変えられない(私は派遣元からパキスタンの事務所に2年契約で派遣されている非正規派遣労働者です)として、通常は作業着を着て業務にあたってもパキスタン人と面談する際にはワイシャツなり背広を着ていたのにと、少し後悔しています。私1人での面談では業務が進まないかもしれないと感じることがあります。

パキスタンは「紙の文化」です。口頭連絡よりも手紙やメールで連絡するほうが円滑に進みます。そして、階級社会です。手紙やメールのあて先は担当者でなく、その上司に充てて発信するほうが良いようです。日本流のボトムアップは通用しません。トップダウン方式で担当責任者の1階級上の方にコンタクトし彼から担当責任者に指示してもらったほうが業務が進むような気がします。現役時代に作成していたキーパーソンリストの作成を急がなければならないようです。

「郷に入れば郷に従え」、このことわざ通りですね。先人の知恵を無駄にしてはいけないようです。

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