パキスタンはどんな国(5)

パキスタン人と話をしているとよく出てくる言葉がります。
私の Family History は・・・
自分の一族がどういう一族なのか、自分の一族の地位はどういう地位なのかという話です。インドほどではありませんが、パキスタンにも身分制度(カースト)があります。

掃除夫などはヒンドゥー教徒が多いように感じます。一般のクラーク(事務員)は自分の机のごみ箱も片づけません。海外から空輸されてくる木箱の開梱も見ているだけです。

ちなみに、私は作業着を着て自ら機器の修理や組み立てを行っているのでクラークよりも下位階層の人員に見られていたように感じます。簡単なVBAを組んであげたのですが、「なぜ、お前がコンピュータのプログラムを作れるのだ」という顔をしていました。どうやら最近はワーカーからテクニシャンに格上げされたかもしれません。しかし、いまだにエンジニアとして扱ってくれているのかはわかりません。

昨年のフンザ旅行で気が付いたのですが、女性の地位の低さとそれを不満に思っていないような雰囲気を感じることです。単に外部を知らないだけだと片づけるのは簡単ですが女性がいなければ子孫は残せません。また家事、育児など女性の役割が大きいことはムスリム社会でも変わりません。

さて、パキスタンにきて興味が出てきたのは下記2点です。

1.身分制度がパキスタン経済に与えている影響
2.ムスリムの女性の地位は向上できるのか

2項については興味深い書籍を見つけたので読もうと思っています。

左端の本:「ムスリム女性に救援は必要か」
「ムスリム女性は抑圧されている」という定説を信じ込んでいる専門家へのアンチテーゼのようなものかもしれません。
左端から2番目の本:「タブー(パキスタンの買春街で生きる女性たち)」
著者の学位論文を発展させたものです。特にラホールの売春地帯の話は私自身が聞いた話と同じであり10年以上経過しても同じ状態にあることを明示しています。

左端から3番目の本:「沈黙の向こう側」
インド、パキスタンの独立の際に起きた、「国の分割」という大きな代償を伴う事象(暴力)があった。この「陰の歴史」に焦点をあてたドキュメンタリです。
右端の本:「朝子 インド独立の志士」
日本で生まれ育ち、若くしてインド独立運動に身を投じた女性とその家族の数奇な運命について記したノンフィクション作品。
これらの本を読みこんでいきたいと思っています。

別に文化人類学やジェンダーに興味を持ったわけでもありません。パキスタンに在住しているのですからパキスタンという国の成り立ちについて興味を持っただけです。日本にいるとインドの情報に比べてパキスタンの情報は少ないですから積極的に情報収集に努めないと情報マイノリティになりかねません。

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